冬期講習真っ只中のお正月にYouTubeを眺めていると、とある塾生の琴線に触れそうなボードゲームの情報が流れてきた。
その名も「素数スピード(Prime Number Speed)」。
合成数をひたすら素因数分解していくゲームである。
即座にAmazonで注文し、1月7日にそれは到着した。
該当する生徒に「実は、面白そうなボードゲーム見つけてさー」と、封を切っていないパッケージを見せると「!! そのゲーム! やりたいと思ってた!! 友達と昨日話したばっかり!! え。え。やりたい!やりたい!」と、大興奮の様子。
他の生徒がいない時間だったこともあり、早速プレイしてみたが…生徒にコテンパンにされてしまった。
オレンジ色の「735」や「1100」が、素因数分解の対象の「合成数カード」。
白と黒のカードが、「素数カード」。
白が生徒のもの(画像奥)で、黒が私のもの(画像手前)。
中央に1枚ずつ合成数カードを出していき、プレイヤーはそれの約数となる素数カードを出す。
素因数分解されたら、次の合成数カードを出す。
これを繰り返し、手札が無くなった方の勝ちである。
画像から、生徒の手札がなくなった時点で、私に大量の素数カードが残っていることがわかる。
つまりは、完敗である。
数学や計算は苦手ではないのだが…。むしろ、得意科目なのだが…。
車のナンバープレートを見ると、素因数分解をする癖がついている子が相手だと、さすがに苦しい。(ナンバープレートの数字で四則演算を行い「10」を作る計算は有名だが、素因数分解は初めて聞いた)
「合成数カードの下一桁が0だから…」と、私の手が2と5の素数カードに伸びている頃には、もうその合成数カードは場から流れてしまっている。
そういえば、この子はルービックキューブも30秒かからずに解くような子だった。
この類のパズルやゲームにすこぶる強い。
ぐぬぬ…。
リベンジを誓い、その日の指導へ入らせてもらった。
さて、素数スピードに限らず思考や計算をする際に五感を用いるゲームには、画面を見ながらボタンを押すゲームからは得られない栄養が詰まっている。
五目並べであっても、実際に碁石を碁盤置いてみることと、画面上でカーソルを操作することには大きな違いがある。
実物に手で触れ、思考を口に出し、対面の人間の声を聞き、笑い合う。
素敵な時間だ。
中学生にもなると、こういった遊びをしている時間は少なくなってしまうが、小学生であれば時間が取れるかと思う。
親子のコミュニケーションツールとしても、有効である。
もし、小学生以下のお子様がいる保護者様がこれを読まれているのであれば、是非とも手や指を使うゲームで遊んでみてほしい。
続く