その塾の生徒の行く末は

ちょっと堅苦しい話。

アサダ塾に通ってくれている生徒は、市内外の塾から転塾して来られる方が多い。

その中の一人の初回の指導の際、目を疑うような計算方法を目の当たりにした。

その計算とは、加減法において「引き算を行うときは、下に書いた式の符号を全て反転し、たし算に書き直せ」というものだった。

↓こういうことらしい。

学校の数学の定期テストで、点数が一桁となってしまうような生徒に対しては、苦肉の策でこのように教えることもある。

ただ、該当の生徒は、結構そこそこ中々の成績を取っており、塾内では一番上のクラスにいたそう。

うーん。うーん…。

 

以下は、オブラート先生のお力を100枚くらい借りて書くことにする。

きちょ~~な、ワーキングメモリを鍛えられるタイミングに、一切脳みそを使わずに作業をさせるなんて…。

この計算方法は、一桁+一桁の計算を筆算でやるのと同じレベルで、冗長かつ学びが無い作業である。

その塾の先生にどのようなお考えがあるのかは知る由もないが、私は金輪際この計算をしないように生徒に指示を出した。

代わりの指示はいつもと同じ「                」だ。

 

さて、上記の加減法の計算のような、瞬間のわかりやすさ(わかりやすいか?)だけに焦点を起き、生徒の思考力や計算力を奪う教え方は、百害あって一利あるかどうかである。

眼前の小石が払われる代わりに、未来に特大の地雷が仕込まれる。

受験期や高校生になってから爆発する、たちの悪い地雷だ。

この方法でも、定期テストでは、点数が取れてしまう。

「わかった気」になることも出来る。

しかし、この程度の計算すら身に着けていない受験生が、周りより優位に立てるはずがない。

上位校を受験する生徒が、受験当日に一生懸命プラス記号を塗りつぶしている姿なんて想像もつかない。

 

そもそも、…

~~中略~~

本人や保護者は、自分たちが地雷原を進んでいることにすら気がつけない。

色々な価値観の塾がある。

 

続く

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