悪い正解と良い間違い

飯能市の小学生・中学生向けの学習塾:アサダ塾の浅田です!


最近のブログ記事では、考えることや思考することの重要性を強調することが多い。

今日は、その具体例。

 

悪い正解の最たる例が、偶然当たった記号問題だ。

「うーん…わかんないから、「ア」!。やったぁ!あってた!」

…これで学力が上がるはずがない。

  

さて、昨日の生徒とのやり取りから、良い間違いの例を一つ。

問 以下の日本文を英訳せよ。
「彼は彼女のことを2時間待ち続けています。」

生徒の解答「He has been waiting his girlfrend for two hours.」

friendのスペルミスには目を瞑るとして、私が想定していた通りの間違いをしてくれたため、うれしくなってしまった。

間違いが嬉しいのではなく、英文を「雰囲気・勘・なんとなく」でしか書けなかったその生徒が、理屈を伴って判断を下したことがわかったため、嬉しくなった。

 

その生徒から質問がくる。

「どうしてforが必要なんですか」と。

「わかりません。なんとなくです」としか言えなかった子が、質問たりうる質問をしてくれた。

私は、彼がどういうロジックでこの答えを書いてきたのかを確信した上で、「どうしてforがいらないと思ったの」と聞いてみた。

すると生徒曰く、「waitの目的語としてgirlfriendを置きたいから、前置詞はいらないと思いました」と。

予想通りである。

作業を繰り返して取ってきた100点なんかより、こういった質問を貰える方が遥かに嬉しい。

塾講師をやっていて、気分が高揚する瞬間の一つだ。

 

forのあるなしだとか、waitの捉え方については、今回は置いておく。

その生徒の中に理由があり、気分で作った英文ではないことが大切なのだ。

彼の根本にある考え方は間違っていない。

正しいものだ。

そうやって考えるように指導してきた。

 

↑の間違いには理由があるため、100回解いたら100回同じ間違いをする。

理由があるから。

これは、なんとなくで答えを書いて100回中30回正解するより、よほど良い。

エラーの原因を正してやれば、100回中100回正解するようになるからだ。

再現性がある。

 

100回中30回を「なんとなく」で正解する生徒に理屈を説いても、100回正解するようにはならない。

「なんとなく」という土台に理屈を乗せても、いつか崩れてしまう。

一方、土台がしっかりしていれば、いくらでも積み上げていける。

理屈を伴った判断が出来るようになった生徒は、凄まじい速度で成長していく。

私は今日もそれを見守る。

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