悪夢を見た

キャバクラ塾に勤める悪夢を見た。

苦しかった。

長い悪夢で、苦しいことが多かったのだが、夢から覚める直前のやり取りは、その中でも強く印象に残っている。

 

受験まであと1週間を切った中学3年生が、自分の教科担当の学生講師に相談をしていた。

生徒「先生。どうしても、まだ自分の理解が足りていない単元があって、受験まであと1週間で申し訳ないんですけど、その単元のプリントか何かを頂けませんか」
学生講師「あーごめんね。俺ちょっと忙してさー。3日後でもいい?」
生徒「3日後ですか…はい………はい…。だい、じょう、です……」
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バックヤードにて
学生「俺この後、ラグビーの試合観に行くんすよwwwwwwwマジ楽しみっすわwwwwwww。その後飲み会ですwwwwwww朝までコースっすわwwwwwww」

受験まで1週間を切った状況で3日も待たされることを言い渡された、生徒の絶望した表情と、学生の喜色満面の表情は夢から覚めた今も鮮明に思い出せる。

どちらも、脳裏にこびりついて離れない。

虫唾が走るとか、胸糞悪いとか、腸が煮えくり返るといった、私の貧弱な語彙ではあのときの感情を表現することも出来ない。

 

そもそも、学生にそれを言わせるオペレーションが悪いと言われればそれまでなのだが、キャバクラ塾の方針は「やる気の無い学生にも気持ちよく働いて頂いて、授業のコマを最優先で埋める」であった。

「学生講師に強く指導をするな」とのお達しもあった。

受験直前の中3は塾を辞めないし、授業料を搾り取った後なので、顧客満足度も一切気にしないのだ。(兄妹がいる家庭には手厚かったりする。弟や妹の入塾が喉から手が出るほど欲しいため)

なんだよそれ。

なんなんだよそれ。

割食うのは生徒だぞ。

あの子の、あの表情を見ても同じことが言えるのかよ。

言えるんだろうな。

あぁ…。

 

いやー夢で良かった。

夢から覚めて良かった。

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