模試の役割

埼玉県の中学生であれば、ほぼ全員が北辰テストを受ける。

北辰テストを受けなくても、塾で教材会社さんの模試を受けたり、駿台模試を受けることもあるだろう。

高校生になれば、河合模試や駿台模試、冠模試を受けることになる。

 

では、多くの生徒達が受ける、この模擬試験というものの役割はなんだろうか。

Google先生に「模擬試験とは」と、お伺いを立てると、AIによって要約された「入学試験や資格試験などを想定して、受験者の実力を測ったり、試験の予行演習をしたりするために行われる試験」との解答が得られた。

本番を想定し、自分に足りていないものや、周りと比べて自分がどの位置にいるのかを測るためのテストだ。

これが本来の模試の役割に違いない。

 

しかし、埼玉県における北辰テストは、この本来の模試の役割が形骸化してしまっている。

確約の影響だ。

就職活動における内定のように、北辰テストと一学期の内申点で、私立高校の合否が決まるシステム。

埼玉生まれ、埼玉育ちの人間は、もはやこのシステムに疑問すら持たないが、県外から埼玉に越してこられた方々は、この制度に随分と驚かれる。

曰く「にわかには信じがたいのですが、本当にそんな制度があるんですが」「自分、●●県出身で、こっちに来たので、随分と地元と制度が違って驚いています」と

至極当然の反応である。

 

こういった制度がある以上、生徒やご家庭が極端に偏差値に目を向けてしまうのは、良し悪しはともかく、自然だと言えるだろう。

そこで進路が決まるのだ。

北辰テストの偏差値数点の差によって、人生が変わるのだ。

特待生になれるかどうかにも影響があり、それが3年間で数百万円の学費にも影響することを考えれば、本人はもちろんのこと、ご家庭に置かれても気が気でないだろう。

気にするなと言う方が無理がある。(気にしないでほしいけど)

 

さて、本題はここから。

この「入試の予行練習」「確約の取得」という、二つの役割に目を向ける人は多い。

もう一点、考えて欲しい役割がある。

それは、「模試の受験は、学力向上に大きく寄与する」という点だ。

ただ、模試を受けたからといって自動的に賢くなるわけではない。

重要なのは、模試という本番でしか生まれない緊張感だ。

人は、模試本番になると一分一秒を惜しみ、点数の最大化を図ろうとする。

なんとしてでも、点数を取ろうとする(取ろうとしない奴は、知らん)

すぐには解けない問題だってある。

どうしたらその問題が解けるのか、限られた時間の中で頭をフル回転させる。

残り数分で、光明が差すことがある。

残念ながら、時間内に解き終わらないこともある。

それでも、「あぁ、あの英単語の意味さえわかれば…!」「数学のあの条件の使い方がわかれば…!」と、必死に脳を働かせた後の復習は、「あぁ、そうだったのか…!!なんで、本番気がつくことが出来なかったんだ…!」と、鮮烈に脳裏に刻み込まれる。(※当塾が、北辰テストの日の午後に、必ず開塾しているのはこの点が大きい)

この緊張感は、塾や家で過去問を解いていては得られない。

本番ならではの、模試だからこその役割である。

 

だからこそ、なんとなくで模試を受験してはいけない。

親御さんに、模試代だって出してもらっているのだ。

全身全霊で受けておいで。

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