過去、アサダ塾以外の場所でも多くの中学生の卒業を見てきた。
高校生になる中学生達が発するセリフで「あ、この子は苦しくなるな」という発言の一つが、タイトルの「まずは自分で頑張ってみて、やばくなったら、また塾に来てやってみます」というセリフだ。
まず、このセリフが出てくる中学生の大半は、高校の勉強を甘く見ている。
高校受験の時と同じように、受験生になってなんとなく勉強して、平日に数回、塾で3時間程度で集団授業を受けていれば、なんとかなると思っている。
大学受験は、そういう世界ではない。
難関大学を目指すのであれば、毎日コツコツと積み重ねておく必要がある。
ごく一部の例外を除いて、学校の勉強すらわからなくなった生徒が、高校3年生になってから塾に入ってどうこうなる世界ではないのだ。
受験科目の少ない私立なら兎も角、国立を志望するのであれば尚更である。
生徒本人は「ちょっと転んで擦りむいた」くらいの感覚でいるかもしれないが、それはもう、首と胴体が1枚の皮で繋がっているくらいの危険度だったりする。
その状態から入れる保険はない。
力になってやりたい気持ちはあるのだが、もう、どうにもならないこともある。
「逆転合格」なんて存在しないのだ。
ビリギャルという、「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」といったキャッチコピーを謳った本が巷で話題だが、実際のところは、
「(東大京大も出る中高一貫校で)学年ビリの(帰国子女)ギャルが1年(半かけて校内)偏差値を40上げて(英語・小論文2科目受験の)慶應大学(SFC)に現役合格した話」であることは有名だ。
他にも「偏差値◯◯から東大合格!!」と謳っている偏差値が、東大模試のものだったりする。
そりゃあ、東大模試なら偏差値40代から合格するやつゴロゴロいるでしょ。
もっと言えば、駿台模試や冠模試を主戦場にしている難関大受験生が、もしも高校内で進研模試の受験を強制されたらどうなるだろうか。
ふざけて、まともに解答しないやつも出てくるかもしれない。
偏差値20代の誕生だ。
そして、次の模試に真面目に取り組めば、簡単に偏差値が60上がった受験生の出来上がりである。(「60に上がった」ではなく「60上がった」だ)
数字なんていくらでも作れる。
それらを真に受け、「なんとかなる!逆転合格!」と言って、眼の前の勉強から逃げてしまう人間には、大学受験は向かないのだ。