飯能市の小学生・中学生向けの学習塾:アサダ塾の浅田です!
昨日のブログ記事で「わかりやすく教えてなるものか」と記した。
これは常日頃から考えていることではあるが、誤解を与えかねない表現のため、補足を加えたい。
私が忌避しているのは、過程を無視して結果だけを与えることだ。
例として、算数や数学の「距離・速度・時間の問題」を挙げる。
速さの問題において、「みはじ」や「きはじ」を使って答えを出せる子は多い。
しかし、「なぜ道のりを時間で割ると速さが出るのか」と質問すると、多くの子は「考えたことがない」「わからない」「『みはじ』だから」と答える。
これは、理解を伴わず作業として解いている典型例である。単位の概念が無く、兎にも角にも手っ取り早く答えを出す方法を教え込まれているため、こういった生徒が出来上がる。
単位の概念が欠けているので、文章題や理科の計算にすこぶる弱くなる。
また、勉強を「枠を作って、その枠に数字を当てはめる」という作業に落とし込んでしまっているため、少しでも表現や問われ方が変わると、「見たことない問題だったので、解けませんでした」と簡単に白旗を振りかざす。
学校の定期テストでは点数が取れるけれど、模試だと思うようにいかない…という子の正体がこれである。
さて、速さや道のりに関する文章題で手が止まっている生徒に「『みはじ』を使えばいいよ」と指導するのは簡単だ。
生徒は「み・は・じ」「み・は・じ」と唱えながら公式を丸暗記して解答するようになる。
意味はわからずとも、基本例題は解けるようになる。
しかし、私はそういった生徒に対して、「こうすれば答えが出る」とは指導しない(状況によるが)。
「速さって、そもそもなんだろう」「1分で50m進むってことはさ…」と回りくどく、単位の概念の塗り直しから始める。
このように、安直に解答を教えないため「わかりやすく教えない」と表現をしている。
ちなみに、単位の概念は本来は小学生のうちに身に着けておいて欲しい力故、中学3年生になろうとしている生徒に対してこのような指導をするのはもどかしく思うこともある。
しかし、「このままではまずいと思って…。今の環境だと先が無いと思って…。」と、勇気を持って私の元を訪ねてくれた生徒とそのご家庭を無下には出来ない。
重ね重ねにはなるが、小学校のカラーテストや中学校の定期テストにおいては、理解を伴わない丸暗記のテクニックでも点数が取れてしまう。
しかし、理解を伴わない丸暗記が通用するのは中学生の定期テストまでだ。
学校選択問題の数学や、高校のmol計算になると、小手先の丸暗記では太刀打ちできなくなる。
今日も日本全国のお母様方が「うちの子は中学生まではそこそこ勉強ができたのに、高校になると全然ダメで…。高校の勉強って難しいんですね」と話していることだろう。
しかし、その根本には、中学生までに鍛えられてしまった「考えずに丸暗記をする思考回路」がある。
「み・は・じ」で水増しされた偏差値や点数に、本当に意味があるのだろうか。