気がつけば、開業して1年が経過していた。
小さな小さな塾ではあるのだが、「我が子のために」と数ある塾と比較検討を重ね、この塾を選んで下さったご家庭がいくつもある。
そういったご家庭のおかげで、なんとか1年続けることが出来た。
ありがたい。
振り返ってみると、1年経って休塾日は4日ほど。(生徒が361日来なければいけない訳ではない。候補日が多いだけ)
GWもお盆も正月もない塾である。
その4日間も、教室に行かない日はなかった。
365日、ここにいたのか。
私がこれだけ塾を開けているのには、いくつか理由がある。
たくさん勉強して欲しいというのも理由の1つだが、「私が生徒のことを知る時間を増やす」という目的もある。
生徒の成績を伸ばすには、生徒のことを見て、知り尽くす必要がある…と考えている。
同じ80点でも、間違え方や正解の仕方は生徒それぞれだ。
そこに目を向けず、「◯◯の単元の問題を間違えていたから、◯◯の問題を沢山解こうね!」と、その生徒にも同一の対応をすることは果たして指導と言えるのだろうか。
これだけ教室にいて、これだけ指導日があっても、生徒のことを100%見ることはまだまだ出来ていない。
仮に受け入れ生徒数を1人に限定して、24時間365日その生徒を見ても、その生徒の100%を知ることは出来ない。
それでも、それを99%に近づける努力は続けなければならない。
私の指導1つで、生徒の人生が変わる。
それは、とてつもなく重い。
生徒一人一人のことを見て、向き合い続けるからこそ、気が狂いそうになることもある。
受験が終わるたびに、「もう良いんじゃないか。別に浅田がやる必要はないのではないか」と、その重圧から逃げたくなる日がくる。
それでも、俺がやらなきゃ誰がやるんだと、毎年立ち向かう。
この苦しみも、この重圧も、少しばかりの喜びも、全て私のものだ。
誰のものでもない。
この重圧と正面から向き合うために開業した。
1年が経った。
また1年が始まる。